左手のための二重奏をご存じだろうか?
少年マガジンエッジにて連載されている作品で、"不良が更生していく"というよくある話。と思うなかれ…。これまた衝撃的な展開からスタートするおもしろい作品で、ドラマ化してほしいなんて声もちらほら聞こえてくる。
では、少し紹介していこう。
左手のための二重奏
松岡健太さん原作で少年マガジンエッジにて連載されている少年漫画。
ピアニストを題材にした作品だが、専門的な知識はそれほど多く盛り込まれていないので、音楽に詳しくなくても十分に楽しめる作品だと思う。強いて作曲家や曲名くらい。
そして少年漫画らしい豪快なタッチと青春描写だけではなく、ファンタジー要素を加えているので単調になりやすい題材が読みやすくなっている。
あらすじ
町一番の不良中学生「的場周介」は、自分の将来に何も見出せないでいた。
つまらない日常を送るシュウはある日、同じ中学校に通う天才ピアニストの「弓月灯」と出会う。"天使の左手"と呼ばれる灯の演奏に少なからず興味を持った。
シュウとは無縁な人間だったのだが、ひょんなことから灯と話す機会が出来る。家までの帰り道に灯のピアノに対する想いを聞き、少しずつ価値観が変わりますます興味が湧くシュウ。
しかし、その瞬間2人は交通事故に遭い、その事故で灯だけ帰らぬ人となってしまう…。罪悪感から自分を追い込んでしまい、屋上から飛び降りようとしたときシュウの左手が…!?
感想
単なる音楽漫画ではなく、青春ファンタジー漫画。
上記したが、専門的な知識は多く表記されていないのでとても読みやすい。漫画だと音の表現が難しいので、世界観に入りづらく敬遠されやすい気がするのだが、この作品は作画力が高いので上手くカバーしている。
とても上手な作画で、バトルものにしたらとんでもないカッコいい作品になったんじゃないかと思うほど。似たような作画だとエア・ギアを見ているようなカッコよさがあるかな。なのに、この絵を音楽に使う意外性とファンタジー要素で飽きさせない仕様になっている。
不良が更生して、物事に熱中するなんてありきたりな話ではあるが、序盤のテンポの良さとちょっとしたダークさのおかげでさらっと一気に読める。ヒロインが即死亡はかなりの衝撃で先が気になった。
正直、好みの分かれそうな作品ではあるのだが、漫画好きにはハマるだろう。感情の表現と見せ方が上手く、何度も言うが作画が綺麗なのでまとまっていると思う。
だけど懸念点。テンポの良さと引き換えに都合の良さが見え隠れし、ネタ切れになりかねないなと。ストーリーをどうやって広げていくのかは心配です。
まとめ
総合的な評価は、おもしろい!絵の綺麗さは読んでて本当に感心する。
何で音楽漫画にしたのかな?って思わせるほどなんだけど、キャラたちの声のイメージとかをしやすし、入り込みやすいのは高評価。正直、内容が薄くても誤魔化せるっていう下衆い感情さえ生まれる。(笑)
ストーリーもスッと入ってくるので、このまま淡々と展開してゴール!ってならなければいいなと思います。広げるの難しそうってのは本当に拭えない。
でも、漫画以外でも出来そうな気はしますね!まだまだ巻数は少ないので読んでみてほしいです!