プイプイ!
これがクセになる。Twitterのトレンド入りを果たし、粛々と話題になっているストップモーションアニメをご存じだろうか?知らなかったらぜひ覚えていってほしい。それが
【PUI PUI モルカー】である。
プ、プイプイ?なにその可愛いタイトル!そう思ったんじゃないだろうか。なんとなく口ずさんでしまいそうな語感。タイトルの響きから心奪われること間違いない愛らしいモルカ―に魅了された話。
※2021年夏に再放送するらしいよ。
PUI PUI モルカ―とは?
まず【PUI PUI モルカ―】って一体何なんだろうか?その説明からしていこう。
PUI PUI モルカー
- 原案・監督・脚本:見里朝希
- アニメーション制作:シンエイ動画/ジャパングリーンハーツ
- アニメーター:いわつき育子、佐藤桂、高野真、見里朝希
- 音楽・音響:小鷲翔太、野口あきら
- 絵コンテ:見里朝希、小野ハナ、佐藤桂
- 美術:いわつき育子、開發道子、佐藤桂、佐藤華音、見里朝希、村松怜那、アトリエKOCKA
舞台はモルモットが車になった世界。
癒し系の車“モルカー”。くりっくりな目と大きな丸いお尻、トコトコ走る短い手足。常にとぼけた顔で走り回るモルカー。渋滞しても、前のモルモットのお尻を眺めているだけで癒されるし、ちょっとしたトラブルがあってもモフモフして可愛いから許せてしまう?!
クルマならではの様々なシチュエーションを中心に、癒しあり、友情あり、冒険あり、ハチャメチャアクションもありのモルだくさんアニメーション!
PUI PUI モルカ―【公式】より
らしいです。(笑)
中々に斬新な世界観ですが、要するにファンタジーアニメーションですかね。
上記していますが、"モルモットが車になって駆け回る"作品です。そんでもってモルモット+車(Car)だから"モルカー"。まぁ、可愛い。
ならPUI PUIってどこから来たん?って思うだろうけど、これは恐らく"本物のモルモットの鳴き声"でしょう。モルモットってピュイピュイとかプープーみたいな鳴き声ですからね!あの鳴き声ほんと可愛い。
そんなPUI PUI モルカーですが、何故そんなに話題になっているのか?一つわかることは、Twitterのトレンドに入るってことは"ウケがいい"んだろうということだけ。ならばと私も全話観てみましたよ。
PUI PUI モルカーの人気。何故?
私も知人から『PUI PUI モルカーって知ってる?』って聞かれ、『知らん。なにその可愛すぎる音』と嘲笑したのを覚えている。その当時、知人とケラケラと笑いながら会話していた。まるで興味があるように対応したのは大人だから。でも、申し訳ないが、全く観るつもりはなかった。
なのに、それから少し経った頃、聞き覚えのある音をちょくちょく目や耳にするようになっていた。
プ…プイ…プイプイ……。
あれ?これどこかで…。薄ら淡いが、少し新鮮な記憶の欠落を必死に埋めようとしているとき、気付けば家のテレビ画面を埋め尽くすモルモットたち。はい、モルカー始めました。
ひっそりとした人気から話題になる前に観ておこうって下衆い感情ではない。あくまでも個人的に気になったあの語感や音が私から離れなかった。そして、何でちょっとずつ人気が出始めているんだろう?と思ったというところだ。そういうことにしておこう。大人だから。
本題に戻していこう。
PUI PUI モルカーは何故人気なのか?正直、これは誰にもわかりません。(笑)
強いて言えば、"Twitterで話題だから"。もうここに尽きると思う。ちょっと前に社会現象を巻き起こし、海外でも大人気になった【鬼滅の刃】も似たようなものだろう。内容によって良し悪しはあるが、SNSで話題になるっていうことはそれだけ注目度は増すからね。
でも、そんなんでは納得しないでしょう?私がそうだから。なので真剣に考えてみました。
人気の理由 ①表現力
これは欠かせない。
まず舞台だが、モルモットが車になって駆け回るってものは理解してもらえていると思う。まさにそこがミソだ。車でよく見かけるシーン(※いや、それはないってのもあるよ)をおもしろおかしく、シュールに表現している本作。
アニメーションというと、CGやイラストをPCを駆使して滑らかに流すのが一般的だが、こちらのアニメはなんと手作りパペット。羊毛フェルトで作った人形を主人公にして映像化している。動いているけど生き物ではないので当然喋れない。それがこのアニメの特徴である台詞がないことに繋がる。
これが魅力の1つである"表現力"だと思う。表情や効果音だけで感情を表現しているところが、"考えさせる"という部分で大きく評価されているんじゃないだろうか?
観ているとわかるが、口や目、体の動きや大きさで喜びや驚きを見事に表現している。スピード感や思いついた!みたいな表情、喜怒哀楽がすぐ理解できるのは素晴らしい。そこに効果音で相乗効果を生み、まるで本物の生き物のように動き回っている。
車だから当たり前だけど、モルカーの中に人が乗ってたのは笑った。
人気の理由 ②ストップモーションアニメ
このアニメの最大の特徴だろう。
まず初めにストップモーションアニメって何?って方のために簡単に。
これ本当にすごいことなのだが、いわゆるコマ撮りである。羊毛フェルトで作った人形の手足や体、周りの物なんかをミリ単位で動かし撮影…また動かして撮影…それを延々と繰り返し、撮影した写真を繋げて映像にする。気が遠くなる作業である。
最近『JUNK HEAD』という作品が話題になったが、これもストップモーションアニメである。たった1人で7年をかけて製作したという。『JUNK HEAD』は長編アニメなので7年というとんでもない歳月が経っているが、これが話題になったのも大きいかもしれない。
見里先生もインタビューで話していたが、1秒の映像に24枚の写真を撮っているらしい。PUI PUI モルカーが1話あたり約2分40秒だから…おいおい、マジかよ。単純計算でも1話製作するのに3,840枚以上撮影することになります。これは適当に観ることは失礼だ。(…スマソ)
そしてストップモーションアニメの最大の魅力は、手作り感だという。確かにいい味出てますね!一切PCに頼りません!みたいな煙や物質の陰影、爆発なんかもレトロ感があって気持ちがいい。
人気の理由 ③愛くるしさ
ついつい観てしまう大きな要因だ。
もう可愛いのなんのって。実物のモルモットも相当可愛いが、モルカーたちのあの口。まず口がキューティーすぎて爆ぜる。感情の多くを表す柔軟さ、野菜を頬張るときの動き、スタンダードな状態。どれをとってもシナプスが弾ける。
そしてつぶらで純粋無垢な穢れを知らない瞳。汚れた世界を見すぎた我々大人にはとても輝かしいものに見える。目に大きく変化を持たせないところがモルカーたちの表情を微笑ましいものにしている。きっと綺麗な人間にしか作れない代物だ。
さらにもう1つ。あの前足・後ろ足と言うべきであろうタイヤ部分。あれがモルカーたちの動きに大きく感情を持たせている。動きとともに鳴る効果音は、まるで小さい頃に履いていた音の出るサンダルのようなもの。その幼稚さが心を浄化していくのかもしれない。
車に乗っている人ならわかるであろうよくあるシーンを可愛く解決している。正直、全体を通して謎な世界観ではあるのだけれど、2分強という短い時間がスピーディーな内容のドタバタ感を伝えてくれていて、いい塩梅にモルカーたちの魅力を引き出している気がする。
まとめ
人気の理由はまだあるかもしれない。だが、一通り観て感じたのはこういう部分だった。全話観ても約40分程度で観終わってしまうので、まだ観たことがないって方がいたら観てみるのをおすすめする。
まず何も考えずに垂れ流してみるだけでもいいかもしれない。世界観が掴めずに挫折してしまったらそれは仕方ないが、可愛さに気付いたらモルカーたちの動きに注目してみるのも1つの楽しみ方かもしれないね。
思わず笑ってしまうようなシーンも多く、ちょっと疲れたときとかに流したら少し気持ちが軽くなるかもしれない。ちなみに私は猫のくだりで不覚にも笑ってしまった。上手く加工されていたが、完全に抱きかかえられてる無抵抗の猫が可愛すぎた。(笑)
そんなこんなで最初は観るつもりがなかったが、ついつい観てしまったPUI PUI モルカー。その可愛さとセンスに思わず魅了されてしまったおじさんの話でした。